胃潰瘍の食事療法

胃の粘膜に海洋が発生し、空腹時にしくしく痛み出す病気です。食物関係の原因として は、
@過食過飲。
A酒の飲みすぎ。
B甘い菓子のとりすぎ。
C刺激性食品のとりすぎ。
Dビタミンの欠乏、特にB類とCの欠乏は要因となるようである。

食事療法の要点は、

@以上の原因を除く。
A酸性食品を控え、アルカリ性食品を多く摂る。
BビタミンUは抗潰瘍因子のビタミンであるから、これを含む食品は有効。キャベツ、アスパラガス、トマト、にんじん、たまねぎなどに含まれている。
CビタミンB類、C、UのほかA、K、カルシウムも必要な栄養素である。
D語1回の食事量を少なくし、1日に4,5回とるとよい。

吐血した場合の食事
吐血したなら、1〜2日は絶食して安静にします。水分もとらずにうがいにとどめます。そして吐血後3日目頃から、おもゆ、くず湯、野菜スープなどの流動食を少量ずつとります。1日量を5、6回に分けてとり、初めのうちは1回の全量を100〜200gにとどめます。食事がとれるようになったら、浣腸して便秘を防ぎます。胃の痛みがとれてから、おかゆ、やわらかいパン、うどん、豆乳などの軽い食事をとります。そして、だんだん食物の範囲を広げます。しかし、避け、タバコ、コーヒー、塩味、酸味、甘味、辛味の強い刺激性食品は禁物です。
 有効な食物、玄米がゆ、キャベツ、黒ごま、黒豆、じゃがいも、山いも、れんこん、青のり、のり、昆布、ふ、トマトなど。
とってよい食物 にんじん、かぶ、かぼちゃ、きゅうり、小松菜、みつ葉、京菜、いんげん豆、さやえんどう、大豆、小豆、若芽、ひじき、豆腐、こんにゃく、もずく、ぶどう
すいか、いちご、栗、柿。


とっていけない食物
肉類、貝類、レモン、夏みかん、ピーマン、にら、大根おろし、セロリー、わらび、たけのこ、わさび、こしょう、からし、カレー、コーヒー、紅茶、サイダー、みそ、酢、菓子類など。
 調理上の注意としては、生野菜、固い果物、小骨の多い魚などは胃粘膜を傷つけるからなるべく使わないことです。野菜や果物は、やわらかく煮るか裏ごしにかけて食べます。味付けは濃くしないこと。熱すぎたり冷たすぎたりはさけます。やむをえぬ冷たい料理は口にふくんであたためてから胃へ送るようにすることです。

民間食物療法
[キャベツ]の生をよくかんで食べるとよい。キャベツには坑潰瘍因子ビタミンUや、出血を防ぐビタミンKを多く含むからです。Uは熱に弱いので、加熱すると大部分が失われます。
[じゃがいもの汁]を1日に2回飲用するとよい。生のじゃがいもをよく洗い、芽や皮を取り去り、おろし器ですりおろします。それを布でこして汁だけ搾り出したものです。中くらいのじゃがいも1個分を1回量とします。
[りんご汁]毎日飲みつづけます。1回量としてりんご4分の1を皮のまますりおろして、布で汁をしぼり出します。およそ盃一杯のりんご汁がとれます。それを1日3,4回飲みます。吐血してほかに何もうけつけない場合でも、りんご汁だけはよく吸収します。飲み続けると次第に回復してきます。
[黒豆]を煎じた汁を飲むとよいといわれます。
[黒ごま]を常用していると回復を早めます。
[酸味のある果物]を食後に限って摂ると治癒を促します。但し食間にとってはいけない。
空腹時には胃痛を起こすからです。
[ビタミンB12]胃潰瘍に有効といわれます。B12を多く含む食品は、昆布、ひじき
コンフリーなどです。